多くのブランドが、まずフォロワーを増やそうとします。でも、集めた数字が売上につながらないことは、驚くほど多い。

個人アカウントと、企業アカウントは違う

SNSに溢れる運用ノウハウの多くは、インフルエンサーが自分自身を売るために最適化された「個人アカウント向け」のものです。個人と企業では、目指す指標も、進む軌道も違います。Instagram自身が、クリエイターアカウントとブランドアカウントを公式に分けている。別物として設計されたものを、同じやり方で運用してうまくいくはずがありません。

「これからはショート動画の時代」という提案もよく聞きます。潤沢な予算と人員がある大企業なら、認知を広げる一手としてアリでしょう。でも、そうでないなら優先順位は高くない。10年以上ネットで数字と向き合ってきて、ショート動画のバズが顧客のロイヤリティやLTVにどうつながるのか、論理立てて説明できる人に、ほとんど会ったことがありません。

100人のライトユーザーより、1人の熱狂

フォロワーを増やそうと、文字を詰め込んだお役立ち画像や、流行の音源に乗せたリールを打つ。そうやって集まるのは、ブランドの哲学に惹かれた人ではなく、便利な情報や暇つぶしを消費しに来た人たちです。

数千、数万のフォロワーがいても商品が売れない。それどころか、買わない層を大量に抱えることで、アカウントの健全性が損なわれていきます。ブランドが真摯なストーリーを語り始めても、娯楽を求める層は反応しない。するとアルゴリズムはその投稿を価値が低いと判定し、本来届くべき真のファンにさえ、言葉が届かなくなる。

フォロワー数は、追って集めるものではなく、ブランド認知が広がるにつれて自然に増えていくもの。小さなブランドが、資本力のある大企業と同じ「数の論理」で戦っても勝てません。勝負するのは、そこじゃない。細部へのこだわり、顧客との深い対話、一人の熱狂を資産に変える力。エシカルブランドが手にすべきなのは、短期の数字を追う武器ではなく、長期の信頼を資産として積み上げる戦略です。

サステラは現在、数社のエシカルブランドのWEBマーケティングを直接サポートしています。データと向き合い、時に「今はその投稿をすべきではない」とブレーキをかけながら。一つの商品が適正な価格で売れるたびに、社会の歪みが少し正される。その手応えのある仕事です。

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